
塩蔵ワカメと乾燥ワカメの違いとは?食べる前の戻し方も解説!
皆さんは「塩蔵ワカメ」を食べたこと、聞いたことがあるでしょうか?
乾燥ワカメ、カットワカメは聞いたことがあるかもしれませんが、
塩蔵ワカメとはあまり馴染みが無い方も多いかもしれません。
今回は塩蔵ワカメの特徴や食べ方についてご紹介します。
【塩蔵ワカメの紹介】
塩蔵ワカメとは、塩を使ってワカメを長期保存できるように
加工したワカメのことを言います。
昔からの知恵で、食品を長い期間保存して美味しく食べるために、
燻製や乾燥品や漬物など色々な食品加工技術が考えられてきました。
「塩蔵」もその方法の内の一つであり、1970年代に開発された方法です。
私たちも長年、塩蔵ワカメや塩蔵コンブなどを販売しており、
「商品一覧」ページからご覧いただけます!
【塩蔵ワカメと乾燥ワカメの違い】
そもそも食品が劣化する原因は、微生物の存在が挙げられます。
微生物が増えるには、「水分」「酸素」「温度」が繁殖する
条件に適している必要があります。
塩蔵ワカメでは、高濃度の食塩水にワカメを浸けて、
ワカメよりも塩分の高い状態にします。
すると、浸透圧の違いから内部に含まれる水分が抜け出て、
脱水することができます。
さらに、脱水機にかけてさらに水分を抜いて保存性を高めています。
塩蔵ワカメは弊社の場合、購入から3か月程度は冷蔵庫での保存が可能です。
なるべく空気に触れさせない方が品質は保つことができます。
乾燥ワカメは、塩蔵ワカメをさらに乾燥させて、水分を抜いたものになります。
その分保存期間を長期化させることができますが、水分が抜けすぎて
食感や色味が落ちることがあります。
一般的に、ワカメは工程を経るほどに、一般的に食感や色味が劣化していきます。
ほとんどの飲食店ではワカメをメインに取り扱う商品は少ないため、
より安価で保存もきく乾燥ワカメを使用していて、
一般の消費者もその味・食感・色味に慣れてしまっています。
一方、塩蔵ワカメは保存期間が乾燥ワカメよりも短くなるものの、
食感や色味ではより鮮度を維持した状態で召し上がることができます。
塩蔵ワカメは、可能な限り高温条件や添加物などを使わず、
数か月間の保存ができる程度の加工までに留めているため
生ワカメに近い品質を保っています。
【西條水産のワカメの特長】
中でも三陸産ワカメは、親潮と黒潮が交わる
豊かな漁場として知られる三陸沖で育まれています。
それだけでなく、私たちが住む石巻市北上町十三浜は、
東北最大の河川である北上川の河口に位置しています。
大きな河川は陸域からの栄養塩を海にもたらしてくれます。
私たちの作っているワカメは栄養塩が豊富に供給される環境で
育っている点で、他の三陸産ワカメとも違っています。
【塩蔵ワカメの美味しい戻し方】
あまり馴染みのない塩蔵ワカメのため、
食べ方が分からない方も多いと思います。
そこで、以下で戻し方(塩抜き)の方法を紹介します!
【塩蔵ワカメの塩抜きの仕方】
・さっと水洗いします。
・たっぷりの真水に1~3分ほど浸します。
※歯ごたえのあるワカメがお好きなら1分、
柔らかいワカメがお好きなら3分がおススメです!
・食べやすい大きさに切り、料理に加えます。
※調理工程の後半に加えるほど、シャキシャキの食感を楽しめます!
乾燥ワカメとほぼ同じ手順であるにも関わらず、
食感の調整も可能なのが良いところです。
サラダなら食べやすく柔らかい方がいい、
みそ汁ならシャキシャキの方がいい、
などお好みの食感に調整できます!
どんな素材にも良いもの、そうでないものがありますが、
良い素材を使った美味しい料理とめぐり会えた時の気持ちは幸せです。
飲食店でも、小売り店でも大々的に取り扱われないワカメも、
今は生産者から直接購入することが可能です。
私たちの育てる高品質な三陸産ワカメは、
きっと新鮮な驚きをもたらすと思っています。
まだ召し上がったことが無い方はぜひ一度体験していただければ嬉しいです!
【参考ページ】
ワカメ(Undaria pinnatifida)の成分と加工特性に関する研究
小野寺 宗仲 東京水産大学 2007
http://id.nii.ac.jp/1342/00000813/